■TAKAのボルドー便り■

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31.2002年収穫開始

今年のボルドーの夏は大変涼しく気持ちが良いです。
しかしブドウの為にはちょっと問題あり、の気配です。
さて、私、Takaはヴァカンスを返上して一人せっせと今年の収穫期にそなえて、誰もいない醸造学部で準備を進めていました。
今日はいきなりワインには関係なさそうな不可解な写真から話題に入りましょう。

「これなーんだ!」と言われても困りますよネ。

未来のブッションだったりしたら凄い?
実はこれ、ワイン中の香りを測定する装置の心臓部とも言える大切な部分なのです。一年のうち何回かはこれを分解して掃除するのです。これを怠ると正確に香りが測れなくなってしまいます。一人静かに黙々と小さなピンセットを使って掃除をします。
一応私もワイン関係の仕事の筈ですが、ソムリエ諸氏やインポーターの方々の華やかな世界とは似ても似つかず、という場面に出くわすこと多々あり!です。

香りを分離する装置、ガスクロマトグラフィーのメンテナンスも欠かせません。

今年は冷夏で、雨も時々という悪条件です。ブドウの成熟はやや遅れ気味です。
今月9月4日に例の樽内マロのサンプル採取の為、レイノンを訪れました。実際こんなことやっている暇はないのですが、3ヶ月に一度のサンプリングがどうしても収穫期と重なってしまいます。


ここでクイズを一つ。
樽からチューブでビンにワインを充填しますが、樽香の弱い順から採取していきます。
アメリカンオーク(1)、フレンチオーク(2)、フレンチオーク+マロの澱入り(3)、ではどの順序からサンプリングすべきでしょうか?

答えは2、3、1、の順です。

ところで今年のブドウの出来ですが、この悪条件にもかかわらずレイノンでは白ブドウ品種は大変良い状態です。教授と畑を見て回りましたが、腐敗果もほとんどなく見事なものです。彼の栽培技術の手腕がものをいった結果でしょうか。


全般に白品種は問題ないものの、赤品種に関して(特にカベルネ)は難しい状況のようです。今後の天候次第というところでしょうか。

この日のレイノンは嵐の前の静けさ、といったところです。シェも綺麗に掃除されて、そして空の樽が今年のワインを待っている状態です。

 

収穫日を決定するためのブドウのコントロールもこの時期のかかせない仕事です。
畑からランダムにブドウを採取します。
ここから果汁を絞り、酸度や糖度を定期的に測ります。

そしてブドウの粒の重さも測定して、最適の収穫日を正確に決定します。
 

今日(9月6日)、醸造学部の玄関前で教授とすれ違いました。
彼は私に「(収穫を)始めたぞ!」と伝えました。今年もまたやってきました。乱気流に突入です!

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