■TAKAのボルドー便り■

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60.甲州きいろ香2005

2006年も早くも3月になりました。本年初めてのTaka便りをお届けします。話題は甲州きいろ香2005年です。

和食を恋しくさせる、甲州きいろ香2005

2月の中旬から下旬にかけて3月1日のリリースに先立ち全国でプレス、レストラン関係者へお披露目がおこなわれました。

きいろ香2005のスタイルは2004とは異なります。
2004年のそれは強いグレープフルーツの香りに支えられ、そこへ僅かにカシスの芽の香りが漂い、ソーヴィニヨンブランの遠い親戚のようなたたずまいをみせていました。しかし2005年は白い可憐な花−菩提樹等−を思わせ、ややスパイシーな中にしっかりとした柑橘系の香りを放っています。

さて、一体どんな柑橘系か、ということですが、グレープフルーツでもない、レモンでもない、どこか和風を思わせる香りです。といってユズやダイダイでもありません。言葉に窮したTakaはそこで果物屋さんに脚を運び、和風柑橘系を探索しようとしました。
するとすぐに目に飛び込んで来たのが大きなグレープフルーツのお化けのような果物でした。バンパイア・・・じゃない、バンペイユという熊本県が産地の果物です。
一個2,000円もするので、買おうかどうしようか迷いました。手にとってキョロキョロと辺りをみまわし、誰もみていないのでちょっと皮に傷をつけて香りを嗅いでみました。
するとどうでしょう!きいろ香2005年とよく似ているニュアンスを捉えることができたのです!これは買うしかない、ということになりました。

その他に、デコポンとかイヨカン、ハッサク等を買いもとめて香りをチェックしてみましたが、不思議にも皮がオレンジ色の果実はきいろ香の香りから遠いようにおもえます。例外はキンカンとライムでした。ボンタンもバンペイユに香りが近く、したがってきいろ香の香りに一部似ていました。

みんな似ているので断面ではわからなくなりました。
バンペイユ(上)とパール柑、日向夏、ボンタン(下左から)であったと記憶しています。

きいろ香のお披露目は博多でもおこなわれました。
会場に行く前にまず果物屋へ出向きます。ありました、ありました本場のバンペイユが。そしてここではパール柑と日向夏(ひゅうがなつ)という果物にも出逢いました。日向夏はとくに清々しい香りで、抜栓直後のきいろ香を表現するのにぴったりの果物でした。日向夏やバンペイユの食べ方を青木富美子さんが彼女のブログで紹介しています。
そちらにも是非お立ち寄りください。(こちらからです。)

これほどまでに和製柑橘の香りを持っているとなると、おのずと和食とのマリアージュを楽しみたくなります。土地柄、やはりフグを食べないで帰るわけにはいきません。
さっそく試してみたのですが、フグ刺ときいろ香の共演に同席者一同が歓喜しています。醤油にも負けないし、興に乗り過ぎてホヤの塩辛や明太子とも合わせましたが、それでも大丈夫!一本のワインがこんなに和食を楽しくしてくれるとは、思いもしませんでした。

博多のフグ刺。
横の柑橘はダイダイ。
日向夏を搾って食べたかったです。
〆たサバでもよく合いました。

香りから連想される、柑橘果実をクラッシュした香りと唾液を促すような新鮮な酸とが見事な調和を示しているので、2004年で囁かれた、香りと味とのアンバランスは改善されていると思います。

きいろ香2005と和製柑橘たち

みなさんもきいろ香2005といつもの和食で新しい発見をしてみてください。
Taka

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