■TAKAのボルドー便り■

「63.HDRと旬の味」へ 「65.チキンラーメンの発明者」へ

ページに戻る

64.暮れのTAKAのしている事2006

早いもので、もう年の瀬。
皆さんの一年は如何でしたか?私の12月の行事で一番大切だった事はHDRのディプロム取得後、私の手による始めての博士が誕生した事でした。セシルがそうです。今度は私が赤いローブを着て、セシルの論文を審査したのでした。







私がこの席で話したことですが、まずはディレクターとしての始めての論文審査会出席なので、セシルよりも緊張しているかもしれない、というと一同が爆笑。続いて、セシルはおとなしい学生だったと思っていたが、それは大きな間違いだった、というとまたまた場内は爆笑。そして理論、常識にとらわれずに未知の世界に果敢に踏み込んで欲しい、と私の気持ちを伝えました。

デュブルデュー教授のスピーチでは、ソーヴィニヨンに関しての論文で自分はなにひとつ拘わっていないのにエクセレントだ、とお褒めの言葉を頂き、セシル共々安堵した次第。その夜、セシルの誘いを断り、デュブルデュー教授と私が博士号を準備していた時のパトロンであったご夫妻を招待し、静かな会食を共にしたのでした。
感慨深い夜に、相応しいひと時でした。

23日から学部は冬休みです。ボルドーの街にでてみれば、大きな通りはクリスマスカラーです。寒い寒い、とても寒いです。


クリスマスは普通は家族で過ごします。ですから私達はいままでクリスマスにフランス人から招待された事はありません。しかし今年は不思議で、イヴにはさる知り合いのネゴシアンから、そして25日にはなんとデュブルデュー教授からのお誘いを受けました。重なる時は重なるもの。25日にはフランス人と結婚して、パリに住んでいるカミさんの二従姉妹が招待してくれていて、パリ行きを既に決めていました。

24日は飲み過ぎないようにして、25日は早朝にサンジャーン駅(ボルドー)に向かいます。発車20分前になっても入線番号が表示されず、掲示板の前で待つ人達。乗り込んだTGV(フランス新幹線)の中で直ぐに寝入ってしまう私でした。

さて、パリに着いて昼ご飯にいきなりこれ。

言い訳ですが、クリスマスでどこも開いていない。それは知っていたけれど・・・。
ブラブラと当てもなく歩いて、フッと目にとまった”麺館”と書かれた看板。
注文したのはバラ肉麺。肉の上にバラ撒かれたようにコリアンダーがのっているのが、異国情緒をかりたてる?

サントノレ付近(オペラ座近く)でもクリスマスの為か殆ど車がない。こんな光景ははじめて!。
25日は楽しいクリスマスを過ごしました。プレゼントの交換は面白いです。ここはほんとにプライベートなので、写真は遠慮しました。

さて、翌日26日は当然店もあいているでしょう。
パリのレストラン事情はまったくといっても良い程、何も知らない私ですが、今回一つ気になるビストロがありました。その名は”豚の足”。

まずは何処にでもあるものの、此所は有名、といわれているオニオンスープを注文。
チーズで固まっているパンの蓋を崩すとスープが現れます。
寒い時には体が暖まります。!
 

サーヴィスされるお皿にはすべてこのマークが!

さて、お次はここのスペシャル料理。豚の脚の唐揚げです!!

これをオーダーすると、ギャルソンがそれではどちらの脚がお好みですかと。
前脚、それとも後脚・・・。真剣に考えた挙げ句返事をすると、そのギャルソンは大笑いをしながら、”今のはジョークです”、といいながら握手を求めてきました。パリの雰囲気漂うジョークに私達も満足?

さあ、あとは暗くなる迄観光です。セーヌ川に架かるポンデザール。
柄にもなく、美術館を見ようと思いオルセーに行ったはいいけれど、あまりの長蛇の列に退散。入り口の看板を記念に撮影して、行ったこととする。
 

ポンピドー広場とパリ市役所、そこを背にして見る夜のセーヌ川。
  

今回は新婚旅行以来、二人でマドレーヌ寺院も訪れました。あの時、しこたまワインを買って帰ったことが思い出されます。もう来ることがないフランスだと思っていたからです。
現在ボルドーにいる私はことさらパリから何かを買うつもりはなく、勿論それは荷物が重くなるから、という理由でした。が、フラッとはいったあるお店にポツンと置いていあったシャンパンに眼が点になりました。

アンリジローの95年。店の人に一本しかない、あなたはラッキーだ、これはシャンパンのペトリュスといわれている、とさんざん講義を聞かされました。で、この値段で売ってくれるの、くれないの?と聞いたら、勿論OKだ、というお答え。
店の人はボトルをさすりながら、さようなら、と言っていました。

2泊3日のパリ観光もボルドーの我が家に到着したことで終わりを告げました。パリも楽しいけれど、やっぱりボルドーが落ち着きます。でも何かちょっぴり悲しくもありました。
日本に帰っていたらそれはその哀しみだけでは収まらないでしょう。
そんな気持ちにさせるパリ。

是非みなさんも一度はいらして、その空気を満喫してください。
Taka

「63.HDRと旬の味」へ 「65.チキンラーメンの発明者」へ

ページに戻る