■TAKAのボルドー便り■
「2.ブドウの房と葉の観察」へ |
1.TAKAのプロフィール紹介 |
ジャック・ピュイゼ氏が名誉プレジデントを努める「アカデミー・アモリム」の2000年度コンクールに於て、題目「ソーヴィニオン・ブランのワインの香の特異性とその生成機構の解明」でグランプリを受賞! 表彰式は2000年11月にロンドンで行われました。 また、2001年1月よりボルドー醸造学部へフランス国立農業研究所(INRA)より派遣のリサーチ・エンジニアとして籍を置き、引き続き多くのプロジェクトを担当して研究を続けています。 |
1999年ボルドーに行って、TAKAの研究室があるボルドー大学醸造学科に立ち寄りました。 今現在も引き続き、多くのプロジェクトを担当しているそうです。 ソービニヨンブランはもちろん、貴腐ワイン、赤ワイン、フリーランジュースにおける、プレスジュースの効果などなどなど、興味は尽きません。 |
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ジロンド川のそばに毎週日曜マルシェがたちます。 この時もマルシェで買った物(もちろんワインも)で遅い朝食を頂きました。 |
TAKAのプロフィール | |
名前 | Takatoshi TOMINAGA 富永敬俊 |
生年月日 | 1955年2月28日 |
出身地 | 東京 |
ディプロム | |
1992 | ボルドー第二大学 修士号(醸造-土壌学) |
1998 | ボルドー第二大学 博士号(自然科学-醸造学) |
経歴 | |
1990 | 渡仏 |
1991〜1992 | ボルドー第二大学 醸造学科修士課程在籍 |
1993〜1998 | ボルドー第二大学 醸造学科博士課程在籍 |
1999〜 | ボルドー第二大学 醸造学科、デュブルデュー研究室研究員 |
2001.1〜 | ボルドー醸造学部へ フランス国立農業研究所(INRA)より派遣のリサーチ・エンジニアとして籍を置く |
白ワイン醸造の奇才といわれるデゥニ・デュブルデュー氏に師事を仰ぎ、6年間の研究生活を経て1998年にボルドー大学博士号を醸造学科において取得。研究課題であったソーヴィニオン・ブランのワイン・アロマ、そしてその生成メカニズムの解明を通して新規フレーヴァー・プレカーサ及び多数の魅惑的な香りを放つ物質を発見、そしてワインのフレーヴァー・バイオケミストリーという新しい分野を確立。現在研究室内にアロマ探索チームTAKA組を結成。2000年の収獲を迎えて多忙な日々をおくる。 |
さてここで、予備知識として白ワインの醸造法を簡単に説明しておきます。 葡萄→除梗・破砕→圧搾→発酵→澱引き→熟成→瓶詰→出荷 というのが、ごくごく簡単な説明です。 白ワイン造りには、フリーランジュースとプレスジュースがあります。 フリーランジュースとは、破砕・除梗後自然流出した果汁、プレスジュースとはその後圧搾して抽出した果汁のことです。以外と知らない事なのですが、フリーランがとても貴重で、それだけで醸造したワインの方が良いと思われていますが、フリーランの中に15%程のプレスジュースを入れた方が、香り味わいもフリーランだけの物より遥かによい物が出来るそうです。 では、それは何故なのか?この事も今年の収穫時のTAKAの研究課題だそうです。その事も逐次教えてくれそうです。ちょっと難しい話もあるかとは思いますが、ひょっとすると、1流のソムリエさんも知らない事を、皆さんが先に知る事になるかも知れません。 お楽しみに! |
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TAKAの一番重要な場所です。 クロ・フロリデンヌ入り口:白ワインの奇才、魔術師とも言われている「デゥニ・デュブルデュー氏」所有のシャトー。 |
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フロリデンヌ全景:素晴らしい白ワインを生み出します。 あのロバート・パーカーJR氏も大絶賛です。 |
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TAKAの重要な仕事をご紹介しましょう。(もっとも、研究所でもトップの人間なので学生の仕事かもしれませんが)サンプリングについてのお話です。 |
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8月25日(2000年は収獲が早いです)ドワジーデーヌでのサンプリングです。 どちらがセミヨンかおわかりでしょうか? あまり良い例ではありませんが、右がセミヨンです。 セミヨンはソーヴィニヨンに較べて果粒との間が比較的あいていますが、ソーヴィニヨンは大変に密なものです。 |
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研究に使用する葡萄のサンプリングの為に広い畑を歩き回って出きるだけ均一に15房ずつ採取します。 この葡萄の中の酵素活性、アロマのプレカーサーの含量を求める為にここから分析をします。ここでひとつ問題があります!一房と言っても重量ではバラツキがあるのは当然ですから「一房当たりの量」としては表現が曖昧になります。そこで「何グラム当たり」が良いことは明白ですが、葡萄の粒にもこれまたバラツキがあるので、下の写真のようにこの15房から任意に100粒を採取してこの重量をはかり、ここから目的のものを分析するわけです。 同じ区画の畑でも、やはりどうしても葡萄にバラツキが生じますからこれを出来るだけ片寄りがなくサンプリングする必要があるので、このような方法をとるのです。 実際に分析するのも大変ですが、このようにサンプリングにもかなりの時間と労力を取られてしまうのです。 「葡萄の下の白いタイルがいかにも、研究所らしいです!」(店主談) |
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