■TAKAのボルドー便り■

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37.ガイヤック近郊

大変ご無沙汰いたしまして、失礼いたしました。
もうアサヒヤさんのHPには載らないのではないかとご心配をされた方々も多いのでは?いえいえ、ちゃんとこのとおり、健在です。
では本年始めての「Taka便り」を御覧ください。テーマは「ガイヤック近郊」です。

ボルドーから車で2時間足らずでありながら、いままでいちども訪問したことのなかった地方です。
今回のこの地の訪問はモンペリエ大学の方々とある共同研究の打ち合わせのために中間地点であるガイヤックが選ばれたからです。ガイヤックはトゥールーズから20分程です。ボルドーとトゥールーズ間が約2時 間、トゥールーズとモンペリエ間も2時間です。
ガイヤックにはITVと呼ばれるワイン醸造の技術に関する指導、データー収集、実験施設所があります。ここへ集合したわけですが、行ってみればガイヤックの街からは9キロも離れたところでした。

早めについたタカは是非ガイヤックの街を見てみようと回り道をしましたが、その途中で不思議な雰囲気の街中に入り込み、思わず車を駐車してその街を散歩してみました。まず惹かれたのはこの街の脇を流れる川の静けさと美しさ。

 

そして街はすべての建物に共通なレンガとも石ともつかない素材で外装ができあがっています。


下の左の写真は市役所です。
平日だというのに街は大変静かで、自分自身がこの街にいること自体が違和感を感じます。ここで臆面もなく箸を使って持参した生姜焼き弁当食べたのですが、やはり落ち着かない・・・。やはりフランス・パンのハム・サンドイッチを持ってくるべきでした。
写真ではこの街が醸し出す不思議さをお伝えできないのが残念です。

 
たとえば教会も同様な外装になっています。

さて、この街の名前はイスル・シュール・タルンというようで、ここでとれるワインはどうやらガイヤックACになるようです。
ここを流れる川はタルン川というらしい。ここには「チョコレート美術館」というのがあり、興味を惹かれましたが生憎の休館。入り口にある説明ではどうもチョコレートで造った彫像の展示のようです。

会議終了後は地元のワイン、ガスコーニュ地方の白ワインでリフレッシュしました。

この地方のワインは正直もうしましてあまり期待をしないのですが、やはり地元で飲むとそれなりに楽しいものです。特に左端のワイン、「Domaine Pellehaut Harmonie de Gascogne」は心地良いものでした。これはグロ・マンセン、シャルドネー、ソーヴィニオン・ブラン、コロンバール、ユニ・ブランからできている、つまり何でもありの一本ですが、その強くて豊かなアロマには驚きました。これで400円というので2度びっくり!!

帰りにはITVの中を案内して頂きました。
小ロットで条件を変えて発酵させたワインが沢山あります。これを一度ろ過して、瓶に詰めて保存しておくのだそうです。

 

ご自慢という木製のワイン・ラックに収納されています。私が「(木材の消毒の為に)クロロ・フェノールは使っていないのですよね」と聞いたら一同、大笑い。なぜなら、このクロロ・フェノールという消毒剤はカビ類によってクロロ・アニゾールというブッショネ(コルク臭)を引き起こす物質に変換されるからです。

今回の会議はご多分にもれず、この地方のワインの品質向上の為です。日本のトップ・ワインラヴァーもガスコーニュ地方のフォア・グラとマンセン種の甘口ワインの組み合わせに唸る日が近い将来訪れることを期待しています。

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