■TAKAのボルドー便り■

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39.ヴィネスポ珍道中

昨年は東京で行われたヴィネスポですが、今年はボルドーへ戻ってまいりました。いつもとかわらない風景が、今回も展開されました(6月26日が最終日)。
エントランスにある、会場の地図はイルミネーション付きです。ちょっと進化したかナ。
それにしても本当に大きい・・・。
一体どれだけの数のスタンドが出店しているのでしょう!


さて、そのヴィネスポに今、Takaのもとで修行中の平川君と一緒にいってきました。
ブルゴーニュに関しては超ド素人の私に、素晴らしいブルゴーニュ・ワインと出会わせてもらおうと彼を引っ張り出したのです。今日はよそ行き着で、リュックをしょって私の前をスタスタと歩く彼。ブルゴーニュのスタンドの前にくると足どりが速くなる。「ちょっと待てヨ、そんなに急ぐな!」と言ってもスタスタスタ・・・。

最初のスタンド(のつもりが、これが最初で最後になる!)はアンヌ・フランソワ・グロというところ。「有名なんです!」と彼は一言。
親切に応対してくれて、白はミュルソー、赤はボーヌ、ヴォーヌ・ロマネ、エシェゾーと飲ませてくれたのですが、私の描いていた「素晴らしいブルゴーニュ」とはちょっと思惑違い・・・。
平川君はブルゴーニュの地図も、地形も良く把握している。エシェゾーでも、あちら寄り、こちら寄りなどという会話は私にはチンプンカンプン。「そう、その横にお墓がありますよね、その右の区画ですか?」、「よくご存知ですね、ムッシュー」・・・。「そう、さらにその先に美味しい味噌ラーメン屋がありますよね」・・・???テナわけはないか。

このドメーヌ、大変エレガントで、美しい味わいだけれど、もっと濃いワインが飲みたいという私の希望に「じゃ、ジャブレでもいきますか」という彼のお誘い。
ピノからシラーに一気に心変わり。そのスタンドを探している時に、フト前を通りかかったのが、「シャトー・フュイッセ」。
3つの異なるテロワールから醸造された、プイイ・フュイッセには私も飲んで上機嫌!「そっ、こういうところを案内しなさいヨ」(知ってるけど・・・)とおじさん風を吹かせる私。
ジャブレに到着する前にさらに寄り道。ビショーに友人を訪ねていったのです。

ここはスタンドというよりはもっと大きなスペースを確保して、応対しています。私達も椅子にゆっくりこしかけてワインを吟味します。
しかもタメになる解説付き。平川君にとっては周知の事実でも、私は感心することしきり。もうシャブリのタンク派か樽派かの論争は過去の事かも知れないけど、シャブリというテロワールが持つ特異性をあらためて思いながら、シャブリという「シャルドネー」を飲むと、樽、タンク、澱、マロ、樽内マロ、というキーワードが電光石火のように頭を駆け巡るのであります。
などと、思考の宇宙へ旅立っていたら「あ、田崎さんだ!」と平川君。彼は初めて彼に逢う・・・。目がハートになって握手を交わす。「光栄だった」と一言。「それってアイドル歌手を追いかける女子高校生のノリじゃないの?」と私。ジャブレにはまだ着かないかと思っていると悲鳴?!に近い声で私を呼ぶ声。

たまたま通りかかったトルコ・ワインのスタンドに昔々、ボルドー醸造学部の卒業研究で面倒をみたアスリが駆け寄ってきた。みんな何事かとこちらを振り返る。「きいろの香り」に登場する、プティ・マンセンの甘口ワインからコーヒーの香りを定量したのは彼女なのです。
さて、アスリが飲んでけ、飲んでけと私をせかします。時間がなかったけれど、面倒をみた卒業生ですからやっぱりかわいいので、なんの躊躇いもなく「勿論!」と答える私の横で、誰かが「一杯だけね」と水を差す。「そんな、かわいくないことをいうなよ、アツー!」・・・。トルコの品種はとても発音できない。覚えられない・・・。
ここでクイズを一題。このブドウ品種はなんというでしょう。
「OKUZGOZU」

さあ、「ジャブレは何処だ!」を合い言葉に出発すると、ものの1分もしないうちに平川号はまたまた座礁。「素晴らしいコンドリューはどうですか?」と彼。
ここのドメーヌは私でも知っていたけれど、遅摘みの甘口のコンドリューは初めてでした。これだけは吐かずに全部飲み干しました。

 

はい、目指すジャブレにやっと到着しましたが、私はクタクタでもう飲めません。エルミタージュを一杯頂戴しただけです。この後、大切な後半戦があるので、ここで全力を使いきるわけにはいかないのです。
それは本業のソーヴィニオン・ブランです。ニュージーランドを極めようという意図があったのです。

  

昼食後、ニュージーランドのスタンドへ直行。ヴィノテーク6月号にもあったマールボロ中心のワイナリーをテースティングしてきました。
個人的にはやはり残糖が気になります。良く言えば優しい味わい、けれどちょっとピンボケかな。でもここの地域すべてがこんなスタイルでしょうか?
デュブルデュー教授と飲んだマールボロ、クロマルゲリットはなかなかでしたが・・・。

その後、オーストラリアのスタンドも制覇!
ツカレター!
今回は彼とまさに珍道中。
でも楽しかったです。ありがとうございました。

※クイズの答え:
「キュズグュズ」と発音するらしい。軽い赤品種で、ピノに似ていなくもない。

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