■TAKAのボルドー便り■

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40.お伽の国

遊びほうけていたTakaもカミさんとトラが待つボルドーへ無事に戻ってまいりました。今回の帰国の際には多くの方にお世話になり、またアカデミーでの講義では皆様からのご声援を賜り、誠にありがとうございました。ここに感謝に意を表す次第でございます。

さて、今回のTaka便りは滞在中にちょっとびっくりしたワインバーに案内されましたので、その時の様子をお伝えします。短い文章の中から、ご自身の感性を駆使してこの妖婉さをご堪能下さいますようお願い申し上げます。
以下は私の独り言・・・。

大人の為のお伽の国はどんな世界か知ってる?
それは妖艶、精緻、微細、狂気の世界・・・。
何気なく踏み込んだ先が見えない空間。
黒いカーテンで仕切られた時空を超絶した空間に案内され身を休める。
このカーテン、どこかで見たような気がする。
そう、色は白だったけど・・・。
それは病棟の病室のカーテン。
自分がその昔、入院していた時、隣のカーテンの向こうがやけに慌ただしい。
看護婦さんの出入りが頻繁、担当医師が来る、酸素吸入器や心電計が運ばれてくる。
自分の思考回路が混乱してくる。
自分もいつかそうなるのかと・・・。

白衣の天使さまが魔法の液体を持って笑顔でやってくる。それを麻薬と知っていても飲み干さねばならぬ。拒否は許されない。
 

聞けばどうもそれは医華夢(イケム)という仏蘭西の薬膳酒らしい。この空間の何処かで誰かが妙薬を口に含んでいる。

それはそこらの薬局屋で買える代物ではない。
自分が産まれる前の時間にも接しなければならない、この禁断の快楽、そしてもしかして苦痛・・・。
深海を詰め込んだボトル。物想う変な猫。薔香蘭(バカラ)が似合う空間。流れる時間はいつも妖艶、いつも精緻、いつも微細、そして狂気の世界・・・。

一度は覗いてみたいお伽の国、身を染めてみたいお伽の国・・・。

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